プロのカメラマンを目指す一人の女性を追いました。~後篇:更なる闘い~

2013.02.20

⑤アドバイスを胸に、さらに撮影。

日々、諸先輩たちや仲間の存在、協力が大きな支えになっているという。

先輩の協力  先輩のアドバイス

周囲の人がとにかく親身なのが印象的だった。決して甘やかすのではなく、彼女の考えたナレーションがテレビでの表現にふさわしいか、実際現場ではこうなっていたのではないか、などなどアドバイスをくれていた。一目で信頼関係が見て取れた。


田中さんのいない隙に「どんな後輩ですか?」と聞いてみると、「よく気がつくし、細かいし、頼りになる。たまに気が強いけどそれも長所かな(笑)」とのこと。

他のスタッフからは、「とにかく明るい。笑顔がいい。取材ではとても大事なことだが、相手の気持ちを引き出すことができる人物。」と、普段厳しいながらも温かく見守られている様子でした。

⑥上司に状況報告&現状を見てもらう。

上司からアドバイス  n_m_9.png  上司からアドバイス

辛口のコメントが待っている。

カメラを構えながら思っていたこと、迷っていたこと、すべてお見通し。

的確な指摘もあるし、悔しい思いをすることも多いようだ。このとき指摘されたカットは前々日に撮影したもので、別の人からの指摘を受けて昨日直しを撮った所だった。〈そこは"おととい"撮ったところで、もう直せているのに...〉〈"新人と一緒"なんて言わなくても...〉

報告の後、再び撮影のため外に出た。

笑顔の裏で必死に自分と闘っている彼女を見て、つい聞いてしまった。

「反論したくならないですか?」彼女の答えは...

「おとといの自分に言われていることだから、おとといまでは確かにそうだったから仕方がない。でも、そこはもう直せたから次からは大丈夫!と思うようにしています。」
...時には家でかなり落ち込むらしい。でも、そう言い聞かせてなんとか気持ちを切り替えているそう。

そんな彼女だから周囲が応援したくなるのだと確信した。

n_m_13.jpg  n_m_14.JPG

気持ちを切り替えて、カメラを置く場所を考える。

夕暮れが迫ると気持ちも焦る。考えれば考えるほどカメラ位置に悩んでしまう。...この日は結局納得して終われなかった。

3週間後、果たして...

3週間後、改めて話しを聞くと......さらに押さえるべきポイントが増えていた。

サイズを気にする
見やすいサイズ・前後のつながりのサイズ・表現のためのサイズ
ディレクターが欲しいと思うものプラスアルファの素材が必要
自分がいいと思ったものがすべてではなく、ディレクターの見せ方によって選べるよう、沢山のカットを撮る必要がある。

もう考えただけで頭がパンクしそうだ...その時ー

「でも、3週間前は何がダメだったのか、分かったことがあるんです!以前は現場に行って、まず"撮らなきゃ"という気持ちが先行して、焦っていることにも気づかなかったんです。気持ちだけで撮ると、説明出来る画にならないし、編集でもつながらない。まず落ち着いて周りを見よう、とにかく冷静にと心がけるようになりました。ここはどんな場所なのかな、と思ってまず全体を把握すると見えるものも多くて "じゃあ、こう撮るのがいいかな" と気づけたり。余裕がないと、自分の教えてもらった知識を使うタイミングさえ逃してしまうんです。」

以前もきっと頭では分かっていただろう。しかし、この3週間でそれを彼女は習得した。きっと周りのスタッフも彼女が撮ってきた映像を見て気づいているに違いない。人に支えられながら、自分と闘いながら彼女の研修は続く。

「なぜカメラマンを志望したのですか?」
だってかっこいいじゃないですか(笑)自分でないと行けないところへ行って、そこがどんな様子かを伝える。カメラマンの撮ってきた素材があって始まるものですから。」