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Team 共テレ

Vol.01

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入社10年目!それぞれ何を“やりきった!?”

共テレには日々、映像制作に打ち込む映像職人たちがいる。彼らに映像制作にまつわるアレコレを語ってもらう新チャンネル「Team 共テレ」。今日ここに集いし共テレ人は、映像制作の最前線で戦う入社10年目の同期たち。久々に集結した彼らは、各々のフィールドで活躍し、お互いの状況は、ほぼ知らないという。彼らは今、いったいどんなことにココロを割いているのか。前半は、自分たちの仕事のコト、やりきった逸話を熱く披露します。

技術センターメンバーそれぞれの「やりきった!」

高橋:仕事がバラバラだから同期がこうやって集まるのは珍しいよね。

小塙:ほんと、久しぶりだよね。嬉しいな!

谷川:じゃあ、僕から話させてもらおうかな!制作技術部でカメラマンとして、情報・バラエティの外ロケをメインにやらせてもらっています。ロケの撮影しか今までしていなかったのだけど、この前、初めてドラマの撮影をしました。

高橋:そうなの! 知らなかった。

谷川:第1制作部と仕事をしたことがなかったから緊張したよ(笑)。2025年1月にスタートしたFOD(フジテレビオンデマンド)の新しいアプリの縦型ドラマの撮影で。ドラマの現場のことを何も知らないなか、カメラマン2名体制で、幼稚園を貸し切って朝から晩までタイトなスケジュールで撮影しました。初めてということもあって、かなり頭を働かせるし、時間がないから慌てるし、ほんと「自分よくやった!やりきった!」って思った(笑)。今まで自分がやってきたカメラマンとしての経験にはない考え方とか、新たな技術や表現方法を学ぶ貴重な機会になりました。また機会があったらやってみたいな。

そんな経験してたんだね。自分も制作技術部でVEとCGオペレーターをしているけど、やりきったことって何かなあ…。あ、あれかな、2023年大みそか生放送の『逃走中~大みそかSP お台場リベンジャーズ!~』かな。

若宮あれは大変だったよね。

60人くらいのカメラマンがフジテレビ局内に散らばって、ハンターがタレントさんを見つけたらバーッと追いかける。定点カメラもあって、さらに各タレントさんに1人専属のカメラマンがついて、何かが起きた時にスイッチャーが切り替えていくんだけど、それが大変で。それぞれの役割を切り分けて8台くらいのスイッチャーを使って映像を流すんだよね。ワイヤレスのカメラも使っているんだけど、ワイヤレスだとディレイ(※1)が発生して今起こっていることの2秒後にスイッチャーがいるベースに届く。なのでそのへんの調整もしつつ、判断をしていかなきゃいけなくて色々と気を遣うんだよね。

若宮映像は実際起こっていることの約2秒後だから、ディレクターからカメラマンに「こっち行って!」とかの指示があった時には、もう現場は、そっちに行く状態ではなかったりするよね。

そう。ズレがあると微妙に気持ちの悪い映像になってしまうし。当日そういったことが起こらないようにするためにも前日の入念なリハーサルが大切だったよね。多くの人が関わる現場で、しかも年末という一年の締めくくりに無事に事故もなく生放送が終わった時には「やりきった!」ってホッとしました。一昨年の『“生”逃走中』は2回目の参加だったけど、1回目より勝手が分かっていてスムーズにできたことも良かったな。

谷川:僕も1回目参加したけど本当にみんな疲弊してたよね。『逃走中』で、生ってどういうこと!?って思ったし(笑)。

ほんと(笑)。でも2回目は楽しんでやれたと思う。

若宮よかったね!私はビデオエンジニアとスローオペレーター(※2)をしていて、スローの仕事でスポーツ中継を担当することが多いのだけど、NHK杯の体操を担当させてもらったことがあって。オリンピックでしか見たことのない、ぜんぜん知らない競技を生中継してリプレイ映像を出すことになって。それを出すからにはその競技の見どころやポイントを知らないといけないから過去の映像を見たりして、たくさん勉強しました。体操競技では別々の種目を同時に行うから、放送しているものだけでなく裏で行われていることも把握しなくちゃいけなくて。考えることが本当にたくさんあって、すごく大変な現場でした。

生放送だし本当に大変だよね。

若宮そうだね。でも頭の中で常にストーリーを考えながら、“技”のどこが良かったっていうのを解説の人が話しやすいようにVTRにして、バッチリはまった時はすごく嬉しかった。まだまだ日々勉強だけど、来年も呼んでもらえたらいいな。スポーツ中継が好きで、スポーツ中継がやりたくて共テレに入ったから…本当はカメラマン志望だったけど(笑)。今はスローの仕事が本当に好きで楽しいからこれからも極めていきたいな。

制作センターメンバーそれぞれの「やりきった!」

小塙:私は2021年に妊娠していたのですが、その時に吉 幾三さんのミュージックビデオの監督をする機会に恵まれました。それまでは情報番組のディレクターをしていたのだけど、なにか作品として残る仕事がしたいなと思っているところに話がきたので、当時の上司の制止を振り切って「やらせてください!」って立候補しました。

若宮これだね!(スマホで動画を見せる)

小塙:そう! 予算がなくてADの仕事も自分でやって絵コンテも描きました。演出でデコトラを集結させて、その前で吉さんに歌ってもらおうと思って、デコトラ協会に直接交渉したりもして(笑)。8ヶ月目で本当だったら産休に入るタイミングだったけど、大きいお腹を抱えて収録して編集して…ギリギリまで働いて、なんとか間に合って出産しました。

高橋:すごいー。

小塙:情報番組のように毎日流れていくものではなくて、“作品”が創りたいって思う気持ちが強くあって。吉さんにラッパーの格好をしてもらいたくて、真っ赤なパーカーとキャップ、ギラギラのアクセサリーをつけてもらって(笑)。吉さんがノリノリで楽しんでくれて嬉しかった。

中野すごいエピソードだなあ。私は助監督をしていますが、そういう話はないです(笑)。6年前に1人目を出産して1年で復帰したのですが、子育て中ということもあって長時間働けないので現場に出るのが難しくて、ずっと番組制作のサポートの仕事をしていました。ですが、昨年上司が「現場やろうよ」って言ってくれて、セカンド助監督として仕事をしました。東京都の子育て支援に関するドラマ制作だったのですが、土曜日の撮影で、夫も仕事で子どもを見ることができなくて、4歳の息子を現場に連れていきました。上司が「シッターさんを雇うから中野も参加して1日やろう」って言ってくれたので実現できました。朝5時に子どもをベビーカーに乗せて電車で現場に行って、シッターさんが7時くらいに現場に子どもを迎えにきてくれて7時半くらいからドライをやって撮影が始まる…みたいな。自分の中では、なかなかハードな出来事でした。

高橋:子どもが現場にいながらの仕事って、相当、気を使ったと思う。本当に頑張ってたよね。

中野セカンド助監督はエキストラの担当をするんだけど、監督の意思を汲んでエキストラの動きを決めた時に、それがピタッとはまって上手くいったシーンがあってすごく気持ち良かったな。そんな経験ができたのも会社が「シッターさんを雇うからやろう」って言ってくれたから。本当にありがたかった。実はその番組が終わった時に2人目がお腹にいることがわかって、また1年育休をとってこの春、戻ってきたところ。まだまだ小さい子どもを育てながらで思うように仕事ができないんだけど、上司は目をかけてくれるし、会社も温かく見守ってくれるから本当に恵まれているなと思う。

高橋:もうみんなの良い話が盛りだくさんでお腹いっぱい!私の話はいいんじゃないかな(笑)。

一同:聞かせて、聞かせて(笑)。

高橋:直近でいうと、『人事の人見』と言うドラマのプロデューサーをしていたのですが、そのドラマの発表の仕方が特殊だったんです。Travis Japanの松田元太さんにドッキリ番組の中で、ドラマの出演告知をすることに決まって。でも噂がまわるのも早いので、どこでご本人の耳に入るかわからない。まずそこを隠すことから始まりました。

小塙:それは大変!

高橋:ご本人に知られたらバラエティの企画も台無しになってしまうから、収録日までドキドキの中で進めていました。無事にドッキリも成功して、ドラマのビジュアルを出したのですが、その中で松田さんがつけている社員証のナンバーをちょっと細工したんです。

どんな風に?

高橋:どうせだったらファンの皆さんが喜ぶ数字にしたら盛り上がるんじゃないか、という話になって、いろいろ調べました。結局Travis Japanのデビュー日にしたのですが、ファンの皆さんがちゃんとそこに気づいてくれて、SNSにポジティブな感想がたくさん投稿されて。想像以上だったのでとても嬉しかった。

谷川:それは嬉しいね。

小塙:プロデューサーとしての喜びってどんなところにあるの?

高橋:総じていうなら、キャスト・スタッフがみんな健康で怪我なく番組が無事に終わって、その上で予算も守れていたらそれで良いかなと。私は入社した時から「プロデューサーになりたい!」という確固とした意志があったわけじゃなくて、会社に振り分けられたんだけど、結果的に私はプロデューサーに向いていたなって思ってる。ここまで来るのに大変なこともたくさんあって、辞めようと思ったことも、たくさん泣いたこともあったけど、幸いにも終わったことはすぐに忘れるタイプで(笑)。溜め込んでしまったら体にも心にもよくないしね。

中野大事なことだね。

高橋:良くも悪くも私たちの仕事って目に触れるもので、友だちが見てくれて「面白かったよ」って言ってくれたりすると嬉しいし、ありがたいよね。

谷川:わかる。

高橋:今まで仕事をしてきて一番嬉しかったことを思いだした!入社して最初に担当した番組で俳優の中尾明慶さんとご一緒したんだけど、当時新人だったのですごく気にかけてくださって。番組が終わる頃に中尾さんが「いつかプロデューサーになったら呼んでね」と社交辞令かもしれないのですが、言ってくれて。それを自分でも叶えられたら良いなってずっと思いながら仕事をしていた中で『ばらかもん』というドラマをやる時に、中尾さんに似合うなと思った役があり、キャスティングの候補に出したら他のプロデューサーも「中尾さんいいね」となって。中尾さんにオファーして本当に出演していただくことになったの。衣装合わせの時にとても久しぶりにお会いしたら、中尾さんも覚えていてくださって「冗談で『呼んでくださいよ』って言うけど、本当にそれを叶えてくれる人は一握りだから、それを覚えていてくれたことが、すごく嬉しかった」と言っていただいた時に、この仕事を続けていて本当に良かったなって思った。

中野すごく素敵なエピソードだね。

小塙:感激するね。

谷川:これで全員の“やりきった”エピソードが聞けたね。

高橋:次は、映像の未来や自分が成し遂げたいこととか話すみたいだけど、そんな真面目な話、私たちにできるかな。入社した時の研修とか今思うと学生感覚がぬけてなかったね(笑)。

谷川:あの時つくった映像、今見たら酷いんだろうな(笑)。

小塙:とりあえず頑張って真面目に語りましょう(笑)。


後半は自分たちの将来そして映像の未来。さらに共テレを目指す学生の皆さんへのメッセージです。お楽しみに。

後編は9月上旬公開

※1 ディレイ:数秒から数分の時間差
※2 スローオペレーター:スポーツ中継などで、決定的な瞬間や見どころのシーンを複数のカメラ映像から瞬時に選び、スローモーション再生(スローリプレイ)やハイライト映像を作る技術者。

高橋眞智子(たかはし まちこ)
制作センター 第1制作部 プロデューサー
入社後アシスタントプロデューサーとしてドラマの現場を経験し、2021年に連続ドラマのスピンオフドラマ作品にて初プロデュース。
その後、『ばらかもん』(フジテレビ 2023年放送(以下省略)『嗤う淑女』(東海テレビ 2024年)『人事の人見』(フジテレビ 2025年)等に携わる。

中野栞里(なかの しおり)
制作センター 第1制作部 助監督
助監督としてドラマ制作に携わる。これまでに携わった作品に『ノンママ白書』(フジテレビ 2016年)『警視庁いきもの係』(フジテレビ 2017年)『黒井戸殺し』(フジテレビ 2018年)『デイジー・ラック』(NHK 2018年)『SUITS』(フジテレビ 2018年)『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS 2023年)等がある。

小塙瑠美(こばなわ るみ) 
制作センター 第2制作部 アシスタントプロデューサー
ドキュメンタリー、バラエティ番組のアシスタントディレクターを経て、2019年ディレクターとしてデビュー。恋愛リアリティショーや情報番組の制作に携わる。
2021年からは第一子・第二子の出産・育児休業を取得。2025年5月アシスタントプロデューサーとして職場復帰。現在は『いいものプレミアム』(フジテレビ)を担当。
これまでの主な担当番組は『チコちゃんが叱られる』(NHK)(チーフアシスタントディレクター)、『バイキングMORE』(フジテレビ)(ディレクター)、『吉 幾三MV ふるさとチョイス』(監督)など。

谷川博亮(たにかわ ひろあき)
技術センター 制作技術部 カメラマン
取材カメラマンとして情報、バラエティの外ロケをメインに担当している。海外出張も10カ国ほど経験。近年配信業務も増えてきたためNetflixの恋愛リアリティショーやABEMA、企業配信なども担当している。ドローン有資格者のためドローン撮影も行う。

原 由樹(はら よしき)
技術センター 制作技術部 ビデオエンジニア(VE)/ CGオペレーター
VEとしてスタジオの報道・情報・バラエティからラグビーやサッカー中継まで幅広く担当。中継ではCGオペレーターも担当している。
報道中継班にも属しており衆議院・参議院選挙や様々な現場の報道中継テクニカルディレクターも行っている。

若宮美歩 (わかみや みほ)
技術センター 制作技術部 ビデオエンジニア(VE)/スローオペレーター
情報番組やバラエティ番組のスタジオVEと、ラグビーやサッカー中継を中心にスポーツ中継のスローオペレーターを兼務。