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~超!初級編

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運動会、子どもの雄姿をバッチリおさめる動画のコツ教えます
~超!初級編

共テレが誇る動画のプロフェッショナル達が日常における動画撮影のコツをレクチャーする“映像Tips”企画。今回はスポーツの秋に備えて、運動会で我が子の姿をバッチリ撮影する方法南極取材経験もあるカメラマンディレクターの坪谷健太郎がご紹介します。
超!初級編の撮影方法なので、誰でもすぐに取り入れられること間違いなしです。

保育園、幼稚園、小学校と子どもが頑張る姿を見ることができる運動会は親にとって大切なイベントです。特に動画撮影は子どもの姿を留めて置ける大変重要なものです。気合を入れてビデオカメラを新調するご家庭もあるかもしれません。ですがどんなに高性能なカメラを使ってもポイントをしっかり押さえていなければイマイチなものになってしまいます。そこで特に“運動会”に絞って動画撮影のコツをお伝えします。

#運動会

事前の情報収集を怠るべからず

まずは子どもからどんな演目を練習しているのか、しっかりとヒアリングを行いましょう。徒競走は何m競争なのか、ダンスはどんな内容なのか、親子の会話を弾ませながら当日のカメラワークをイメトレしていきます。

最近は子どもたちに自分が参加する演目の動きがわかるように、校庭のマップに自らフォーメーションを記入させる学校が多くあります。徒競走の順番やダンスのフォーメーション等が子どもの手によって記入してありますので、カメラポジションを決めるのに大変役に立ちます。日頃からプリントを親に渡し忘れるお子さんには特に「運動会で自分が出る演目の位置がわかるプリントある?」と聞いて手に入れておきましょう。

ポジショニングを制する者は撮影を制す!

徒競走の撮影時はゴール際の子どもの表情をしっかり捉えたいですよね。そのためにはゴールの正面に位置することが大切です。30m走と100m走ではゴール位置も異なりますので、子どもが何m走るのかの把握が大切です。ゴール前ポジションは誰もが撮りたい場所です。自分の子どもが走り終えたらすぐにその場を離れ、次の人へ場所を譲りましょう。

動きが読めない騎馬戦等の競技はカメラマンの腕の見せ所です。自分の子どもばかり追っていても表情を捉えるのは難しいでしょう。むしろそんな時は騎馬戦の競技としての盛り上がりに注目します。子どもの位置を把握しつつも、ズームアウトして全体を撮影。様々な場所で子どもたちが様々なドラマを繰り広げていることが後から映像を見返した時に分かります。競技に集中して他の子どもの動きを見ることができなかった我が子がクラスメイトや親友の様子を知ることができて会話も弾み良い記録になります。

玉入れも子どものポジションがどんどん変わるので顔の位置が変わります。ズームインばかりするのではなく、ズームアウトして全体の競技の様子を撮ることが大切です。

最近はただの玉入れではなく、途中でダンスを差し込むダンス玉入れが主流になりつつあります。その際にはダンスのポジションは決まっていますので事前にプリント等でポジションを確認しておきましょう。玉入れに一生懸命な姿と可愛いダンス姿をおさめることができる二度おいしい競技です。

#動画撮影

動画撮影の基本のキ。脇しめ

動画にとって一番NGなこと。それは“ブレ”です。ブレがおきやすいのは腕と体が離れている状態です。

このようにしっかりと脇をしめ、体につけるようにして上半身を固定します。

体幹命!体をキープ

さらに腕だけではなく大切なのは体幹!足は肩幅に開き体幹を意識して体勢をキープします。

低い姿勢で撮りたい時は、片膝をつき体がグラグラ揺れないように。この時も体幹をしっかり意識しましょう。

体育館等、室内で運動会が行われる時は壁等に寄りかかって体勢をキープするのも一つの方法です。

右手だけでカメラを持つのではなく、必ず左手も添えましょう。体幹意識、脇締め、左手添えさえ守ればブレを完全排除できるでしょう。

#裏技

まさか!○○さえあれば背が低くても大丈夫

動画撮影の際に“折り畳み傘”が大活躍してくれるのをご存じでしょうか?実は、カメラの三脚などをジョイントする部分と折り畳み傘の先端の部分はピッタリ結合することもあるのです。ただし、すべての折り畳み傘がカメラと結合するとは限らないので事前に必ず確認しておきましょう。

このように折り畳み傘の先端をカメラの三脚などをジョイントする部分にグルグルと結合します。

写真では傘を開いていますが、これは閉じたままだと折り畳み傘のジョイント部分が短くて結合しにくいケースがあるからです。もちろん撮影時は周りの迷惑になるので閉じましょう。

傘を閉じたらこのような姿になります。

柄の部分を伸ばせば、立派な一脚のできあがりです。ちゃんと撮れているか確認できるようにモニターは下に向けておきましょう。この時もなるべく脇を閉めて、しっかり両手で柄をホールドしブレを防ぐように意識しましょう。

#プロ

編集を見据えて5W1Hを撮る!

プロの動画撮影は“撮って終わり”ではなく必ずその後に編集作業があります。最近では無料で簡単にできる動画編集ソフトが手に入りますので、編集を行う方も多いようです。せっかく編集するのですから、なるべく良いものを残したいですよね。そんな時に大切なのは5W1H、「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」です。“だれが”と“何を”、“なぜ”、“どのように”は競技を撮影していればクリアできます。問題は“いつ”と“どこで”です。

“どこで”、はもちろん子どもが通う学校なのですが何年も経って見返した時に、当時の校舎の外観や運動場の全体像、教室等の校内の風景が入っていると、より臨場感をもってその時のことを思い返すことができます。

さらにその時どんな空気感だったのか、“秋なのに夏のように暑くて蝉が鳴いていた”“紅葉がなくまだ木々が青々としていた”など風景を抑えておくと鮮明に記憶が蘇り再び感動の余韻に浸れるでしょう。

音は重要な演出効果に

音も演出には重要な効果があります。蝉の鳴き声等は季節感を感じるものですが、運動会では必ず放送委員の子どもたちがアナウンスをします。徒競走の競技者の名前を呼ぶ際の音などを録っておくと当時のリアルな状況を思い出すことができます。

止めは10秒!ズームインアウトは繰り返さない

プロの世界では「止めは10秒!」と言われています。ズームインとアウトを10秒以上止めずに繰り返すと何を撮っているのか分からなくなります。インをして10秒、アウトをして10秒、しっかり止めて撮影しましょう。

ズームインしたと思ったらすぐにアウトするのは絶対ダメ。

しっかり10秒待つことで画が安定します。

おまけ

バッテリーは必ず予備を持っていく。汚れても良くて動きやすい服装はキホン

運動会にスーツで行くことはないと思いますが、カジュアルな服装であっても短パンやスカート等で行くと低い姿勢の撮影で片膝をつくことができなくなります。砂埃や撮影に集中する親同士の接触等もあるかもしれませんので、動きやすく汚れてもいいスタイルで行きましょう。また、大丈夫だろうと思っていても案外足りなくなってしまうのがバッテリーです。慌てて家に取りに帰ったり、撮りたい映像を泣く泣く諦めたり…なんてことのないように、しっかり予備バッテリーを持っていきましょう。

さあ!これでもう運動会撮影はプロ並みです。あとは慣れと場数を踏むこと。運動会撮影デビューの皆さまは事前に公園などで子どもを撮影して練習しておくのもいいでしょう。撮影に夢中になって、生の子どもの姿を見逃さないように。家族の良い思い出をつくってください。

坪谷健太郎

メディア戦略室
プロデューサー・カメラマンディレクター


2005年、当時の取材技術部に入社。「カメラマンディレクター」として、撮影とディレクションの両方を担当し、『とくダネ!』ディレクター、『直撃LIVE グッディ!』専属カメラマン等、報道・情報番組の分野で数多くのニュースを取材・撮影。
2022年発足のメディア戦略室に異動後は教育分野にも取り組み、未来を担う子どもたちのための新たな教育プログラム作りにも力を入れている。
(2023年9月取材)