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~敏腕女性ドラマプロデューサーの日常

夢描く共テレ人

Vol.01

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人の手を借りながら仕事に家庭に全力投球!
~敏腕女性ドラマプロデューサーの日常

共テレで働く人々“共テレ人”の日常を紹介する新企画“夢描く共テレ人”。第一回はドラマプロデューサーとして『マルモのおきて』他を手掛け、二児の母として365日24時間全力投球の制作センター 第1制作部 橋本芙美。日々忙しく過ごす橋本の日常とは?

文字通り怒涛の日々!撮影期間中は自分の時間なんてありません

小学5年生の長男と、小学3年生の長女、そして夫の4人家族です。夫は映画監督なのですが、撮影期間中でなければ家事や子どものことはすべて夫に任せて私は早朝から現場に入り深夜まで仕事をしていることが多いです。土日祝日も関係なく撮影をして、編集して番宣の収録や本の打合せ、その他、諸々の打合せを並行して行います。

子どもとの時間も大切にしつつ、夫婦でお互いにワンオペを乗り切る!

たとえば連ドラの制作期間中でも、朝イチで現場に入らなくてもいい日は、なるべく子どもと一緒に朝食をとって、学校に送り出してから出かけるようにしています。子どもが起きている時間に帰れたら宿題や明日の学校の準備を確認したり、話を聞いたり、お風呂に一緒に入ったり、寝るまで子どもたちの寝室にいたりもしています。一通り、子どものことや家のことをした後、深夜にまた仕事をすることもあります。夏休み期間は朝から学童に通うので、早朝にお弁当を作って冷蔵庫に入れてから出かけます。一昨年、学童の父母会長をやった年に、他の役員の皆様のご尽力で長期休暇中の仕出し弁当の導入を実現できました。子どもたちのためにやりたいことがたくさんあります(笑)。

夫も撮影期間に入ってしまった場合は基本的に私のワンオペになります。その時はどんなスケジュールでも早朝から現場に行くことは諦めて、子どもたちと一緒に朝食を食べて送り出し、その後、現場へ行きます。子どもたちの相手をしている時も、家事をしている時も、やっぱり現場のことは頭から離れません!

子育て、番組制作、そしてさらに…副部長職に就任!

撮影期間外はデスクワーク中心になります。新しい企画書を書いたり、事務作業をしたり、集中してその日にやるべきことをなるべく会社で終わらせたいのですが、なかなかそうもいかない。事務所のマネージャーさんが挨拶に見えることもありますし、普段会えない仲間や先輩、後輩に会えたら話もしたいですし(笑)。午前中早めに出社して誰もいない時間帯に事務作業をしたりもします。今年度から、副部長職もやらせていただくことになり、管理職の仕事も増えました。まだ勉強中の部分もありますが、番組制作とはまた違う大変さも生まれました。

安らぎの時間は深夜の自分タイム

子どもたちが寝た後に夫に仕事の悩みを聞いてもらったりして話をする時間も大切にしています。あとは夜、お酒を呑みながら映画やドラマを観る時間が癒しの時間です。力尽きて寝落ちする時もありますが(笑)。職業柄、観たいものだけじゃなく、観なければいけないものも多くてなかなか大変なこともあります。1クールごとにドラマの1話はすべて観るように心がけています。

家族との時間、一人きりの時間。両方必要

子どもたちを送り出して、家事を終えてもまだ少し余裕がある平日の朝は最高です。30分でも落ち着いてコーヒーを飲めると、とっても幸せです。やっぱり一人の時間は必要です。子どもや夫との時間も大切だけれど、自分一人きりの時間がないと私はしんどくなってしまいます。家族全員でゆっくり食事をする幸せと、一人きりで自分だけの時間を持つ幸せ。私には両方とも大切な時間です。

仕事と家庭、両方100%ずつなんて絶対無理

仕事関係の人は私の家庭がどういう状況にあるのか、ということは分かりませんよね。逆に家族や学校、学童、習い事関係の人も私の仕事の状況についてすべて分かるわけではありません。そうなると、自分としては100%の限界を超えた120%頑張っているつもりでも、結局、仕事60%、家庭60%ということになってしまいます。つまり、どちらも自分の理想の100%に満たないのです。両方100%ずつにしたいですが私の体は一つですから、物理的に難しい部分が出てきます。睡眠時間を削って頑張った時期もありましたが、自分が寝たい時に子どもが起きていたら眠れないし、そうするとホントにずっと睡眠がとれないんです。無理を続けたら文字通り早死にしてしまうと、ある時本気で思いました(笑)。子どもを持つと関わる人も場所も増えるし、それらは日々変化します。子どもの将来のために力を尽くしたいですが、その上でどのように仕事でパフォーマンスを上げていくかが重要だと思っています。とにかく時間が足りない!どうやって効率よく生活するか、日々葛藤しています。仕事を辞めた方がいいのかと何度も思ったこともありますし、悩みながら、人に迷惑をかけながら、それでも仕事を続ける意味を常に自分に問いかけながら走り続けている感じです。

頼れる人はどんどん頼り、一人で子育てしない

子どもがもっと小さい頃は私の母に頻繁にお世話になりました。泊りがけで来てもらって、保育園の送り迎えや病院に連れて行ってもらったこともありました。長男がまだ1歳の頃に現場に連れて行って現場スタッフに気を遣わせてしまったことも。親、夫、友人、地域の人、シッターさん、先生、お医者さん、ほかにも今までいろんな方に助けていただきました。1人で抱えていたら絶対に無理でした。

これから子どもを持ちたい、仕事も続けたいと思う人たちは、とにかく頼れる場所や人に、どんどん頼ってほしいと思います。将来的には子育てをしながら働く女性が増えるような環境作りにも携わりたいです。今は自分のことに、いっぱいいっぱいで新しいアクションは何もできていないのですが(笑)。

将来の夢は大きく!こんな自分でありたい

子どもは日々成長します。今の状況が永遠に続くわけではないのですよね。子どもとの時間も大切にしつつ、これからも仕事で新しいチャレンジを恐れずにしていきたいと思っています。将来的には世界に通用する映像作品を創り、日本の映像業界を盛り上げていける人材になりたいです。長男の中学受験を来年に控えてさらにバタバタな日々ですが、落ち着いたらゆっくり家族旅行もできたらいいなあと思います。

橋本芙美

制作センター 第1制作部 専任副部長・プロデューサー

2002年入社。第1制作部専任副部長。ドラマ・映画プロデューサー。2児の母。

プロデュース作品には2024年『坂の上の赤い屋根』(WOWOW)、2023年〜2024年『アオハライド』(WOWOW)、2023年『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS)、2022年『吉祥寺ルーザーズ』(テレビ東京)、2021年『プロミス・シンデレラ』(TBS)2020年 『危険なビーナス』(TBS)等。

受賞歴【2008年度 ヤングクリエイターを励ます賞 優秀賞『絶対彼氏』】【第26回ATP賞テレビグランプリ 2009 新人賞【メイちゃんの執事』】【2011年 エランドール賞 プロデューサー奨励賞『フリーター、家を買う。』】【2011年 東京ドラマアウォード プロデュース賞】『フリーター、家を買う。』『マルモのおきて』【ウーマン・オブ・ザ・イヤー 2012 ヒットメーカー部門『マルモのおきて』】

(2023年11月取材)