『ドキュメンタル』の撮影では、佐々木さんをはじめとする技術職の皆さんのすごみを、毎回感じます。

深野
本当に。『ドキュメンタル』における佐々木さんのポジションは“テクニカルプロデュース”になるんですか?

安達
そうですね。基本的にはプロデューサーである深野さんに言われた内容を全て予算通りに、技術的にクリアすることが使命です(笑)。

佐々木
いや、本当に大変だと思います。1つの番組で使うカメラとしては僕自身も見たことのない台数を全部管理して頂いて。すごい技術だと思います。

深野
あれは見たことないですよね。

安達
見たことがない。それも国立競技場で撮影すると言うならともかく、テレビスタジオに入るあの規模のセット面積に対してですよ。

深野
それぞれのカメラの配置は、基本的には佐々木さんが考えているんですか?

安達
“出演者の動きがどうなるか”を制作スタッフと研究しながら「ここは必ずほしいね」とか「ここは少し厚く配置しよう」などと話し合いながら決めています。あとは、カメラマンの姿が見切れないことも考慮しています。

佐々木
そうなると、少なくともセット内のカメラは、必然的に固定カメラかリモコンカメラという風になる訳ですね。

深野
そうなんです。限られた範囲でしかカメラが動かないので、発生する死角を補うような形の配置になっていたりしますね。

佐々木
シリーズを経て、機材も変わっていますか?

安達
初回の撮影は、ほとんど4K機材で収録しました。2回目以降の撮影をすべて4K機材で撮影できるかを検討した結果、カメラ台数も多いことからHD機材も使用することにしました。

佐々木
自由に撮れるカメラの台数を考えると、一部HDもあった方が便利なんですね。

深野
そうなんです。何よりも出演者の方々の“笑った瞬間”をとらえることが重要ですので、HDカメラも必要だということです。

佐々木
とはいえ、今や新しいものを揃えようとすると、必然的に4K用のカメラになるんじゃないですか?

安達
その通りなんです。HDの機材がどんどん少なくなってきているので。でも4Kはコストが20〜30%ほど高いのでレコーダーはHDでやります、という感じですかね。

佐々木
なるほど。

深野