いまだから問われる、
“プロの価値”を追求する
現在の仕事は、技術センター内にある映像制作部に所属するカメラマン。『ENG』と呼ばれるテレビカメラを軸にした方式を用いて、主にロケ取材をおこなっています。中でも、うちの部署は情報番組や報道番組、ドキュメンタリーを得意としているため、外へ出て天候やニュースなどの取材をすることが多々あります。また「カメラマンは、カメラがなくなったらただの人」だといわれるように、機材は何より重要な存在。一台数百万円するというその価値はもちろんお金には換えられない“映像”を残す存在なので、どんな悪天候でも最優先で守ります。スマートフォンで誰でも気軽に映像を残せるいまだからこそ「プロのカメラマンが生む価値とは何か」が問い直されていると肝に銘じ、日々現場へ向かっています。
その場所、その現場で得た感動を、映像で伝える
これまで様々な現場で経験を積み、いまでは自分の撮った画がほぼ毎日全国放送で流れています。だからこそ気を付けているのは“心の迷い”を画に出さないこと。ニュースの生中継などで、カメラマンが一瞬でも「右かな、左かな」と迷えば、視聴者はかならず違和感を覚えます。現場でどこにカメラを振るか、何を見せるかはカメラマンの判断に委ねられるので、まさに腕の見せ所。迷いなく最適な判断をおこないます。
また、カメラマンは“普段行けない場所に行き、普段会えない人に会える”仕事でもあります。私自身、入社2年目の頃に北極圏での撮影に同行した際は、一生に残る感動を得ました。アシスタントとして働きながら、目の前に広がる極地の風景に心が震え「この仕事に就いてよかった」と心から思ったことを覚えています。
私は、カメラマンは“好奇心”を持つことが大切だと考えています。世間を騒がせるニュースの現場や台風が上陸した港町の風景、地球の果てに広がる絶景など、目の前の光景すべてを面白がれる人こそが向いていると思うのです。テクニカルな知識や経験は、なくても大丈夫。私自身、劣等感を感じながら努力して技術を学び、カメラマンの最前線に立ちました。「もっと面白い風景を見たい」「心の震えを映像で伝えたい」と思ったのなら、ぜひ門をくぐってください。一生を掛けるべき仕事だと、自信を持ってオススメします。
※内容は、すべて取材当時(19年10月時点)のものです