現場の経験を積みながら、
カメラマンとしての経験を養う
現在は、ミキサーと呼ばれる音声収録の担当者としてロケに参加しています。機材を担ぎ、リポーターや出演者などの声を機材に取り入れ、レベルを調整することが役目です。また、同時に将来のカメラマン候補生として、社内のカメラマンテストにも挑戦中。毎月テーマをいただき、そのテーマに沿った自主撮影をおこない評価される形で、審査を受けています。これまでに培ったロケ現場での経験やオンエアとの比較を参考に、番組になった際の「前後の繋がり」を意識しながら、撮影をおこなっています。
「カメラマン志望なのに、音声をやっているの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。ですが、これは非常に大切な経験です。カメラマンや音声などの技術職は、1人で現場へ赴くことも少なくありません。ロケ先へ行って、機材の調整やセッティング、撮影まで全てをこなさなければならない訳です。そこで大切になるのが“場数”。どんな立場であれ現場入りし、そこで現場の空気や全体の流れを学び、時には先輩方の動きを見て学ぶことが不可欠です。そうすることで、どんなロケであっても落ち着いて対処できるメンタルや安定した仕事ができる知識が身につくのです。
目の前の課題の先、あの頃の憧れへ
個人的には、スタジオでの撮影よりもロケ先での撮影の方が好きです。その理由は“自分で撮った画が全て”という潔さと責任があるから。スタジオ撮影では、多くの場合、役割別に複数台のカメラが存在します。ところがロケは“1台”のみの場合もある。つまり、その現場の映像を届けるための素材は、そのカメラの画しかない訳です。だからこそ、撮影の善し悪しが番組の質に大きな影響を与える。上手く撮れた際の達成感も大きい分「なんでこんな画しか撮れてないんだ!」と失望される可能性もあります。その両面を持ち合わせている潔さに、憧れを感じます。
もちろん、国内国外問わずたくさんの場所に行けることもカメラマンの役得です。先輩方は多種多様な国に行かれていて、そういう話を聞くだけでもワクワクします。本当に「そんなところ行ってるんですか!?」という場所に行ってるんですよ。
憧れは尽きませんが、まずは目の前の試験をクリアすることが一歩目。あの頃の自分を興奮させたSF作品に少しでも近づけるよう、これからも邁進していきます。
※内容は、すべて取材当時(20年11月時点)のものです